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2022年4月6日水曜日

聖なる鹿殺し ネタバレ感想

The killing of a sacred deer 2017年 イギリス・アイルランド




邦題

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッドディア

監督 ヨルゴス・ランディモア

コリン・ファレル ニコール・キッドマン バリー・コーガン

前から見たいなと思っていたサイコサスペンススリラー映画です。あっているかな?ジャンル。大好きなジャンルです。

スラッシャーなホラーも大好きですが、一番好きなのがサイコサスペンスです。セブンのように捜査ありのシリアルキラーなサイコサスペンスがいいですね。

こわ!!って言うのが好きなんですが、この映画もかなりこわ!!

こわ!!っていうより、何とも言えないイヤーな感じの気持ち悪さ。居心地悪く、理不尽で不条理なかんじです。それから警察の捜査は一切出てきません。

紹介をYoutubeで見たのですが「胸糞」それから「しんどい」うん、わかる~胸糞ジャンル。


この監督の作品は初見です。

最初に心臓のドアップの鼓動に度肝抜かれました。手術を終えて出てくるコリンファレル。なるほど心臓外科医なのねと。でもこんな風に見せるの珍しいですよね。心臓のドアップ!

カメラワークが独特で、例えばエスカレーターに親子で乗るシーンをものすごく上の方から移したり、見たことのない映像が面白かったです。

演技もすごく良かったのですが、なにがすごいって、バリーコーガンの演技と言うか 


一度見たら忘れられない嫌な顔(褒めてます)素晴らしいですね。


有名なスパゲティーを食べるシーン まだかまだかと楽しみにしてました笑 いやあ待ったかいがあった。こんな汚い食事シーン初めて見たあ。すごい嫌悪感。うまい!



すごい俳優さんです。

最初は良い感じな男性が、少しづつ嫌な感じにしつこくなっていくのは映画の「Gift」を思い出しました。これも胸糞ジャンルでも好き。


それからニコールキッドマンが安定の冷たい自分勝手な嫌な女w こういう役やっぱりニコールがいいですよね。ちょっと前にボトックスで変になっちゃってましたけど、今は自然で美しいです。クラシカルな美人。

優柔不断なコリンファレルも良い感じでした。あんまり外科医っぽくはないけど。

今調べたらオハイオのシンシナティーのお話だった。お、おう。

ちょいあらすじは……

外科医のスティーブン 美人の嫁、かわいい子供2人 何不自由ない暮らし。ここに16歳のマーティンという少年が忍び寄ってきて……。


ではネタバレ。


スティーブンはマーティンの父親の心臓手術を飲酒して行い、結果亡くなってしまい、マーティンのケアをしています。時計あげたりしちゃってます。

ある日マーティンを自宅に招待をします。ここから悪夢の始まりです。すごく礼儀正しいマーティンに家族は心を許し、特に長女キムは恋心が芽生えちゃう。え?マジすか?って思いました。

ある日息子のボブが突然歩けなくなります。検査を繰り返しても原因がわかりません。そのあたりからマーティンがめちゃしつこくてストーカーみたいになっていきます。

マーティンはスティーブンを自宅に無理やり呼んで、一緒に映画を見たいと言い、眠くなったと部屋に戻るマーティン。母親と一緒に変な雰囲気で映画見ることに

「いやいや、普通ここで帰るよね」と居心地わる!変な空気 優柔不断な性格がよく出てますね。

そして案の定?母親が誘惑をはじめ、慌てて帰るスティーブン。

何度も何度も電話をかけてくるマーティンに嫌気がさすスティーブ。

無理やり病院にやってくるマーティンはスティーブンに

「最初は足がマヒする、それから食欲不振になる、目から血が出て、その後死亡する」と伝えます。

これ、どうやったのかさっぱりわからないんですよね、そういう能力があったのか?薬物と思ったのですが、病院の検査でわかりますよね。

最初信じなかったスティーブはボブが「食欲ない」と言うとドーナツ詰め込んだり、歩けるんだと引きづったり。そして、ついに長女も歩けなくなり、マーティンを地下室に誘拐監禁して拷問。

スティーブンは死なないけど、家族の誰か一人を殺さないとだめと言い、そこから家族の地獄が始まります。

すっごく嫌なのは皆が助かりたいとあれこれやりだす。いい人一人もいないw

最初の30分くらいちょっと退屈。映画全体すごくテンポが良いわけではないのですが、セリフがいちいち怖い。

息子も「髪の毛切るよ、良い医者になる」とか言いだし、娘も「お父さん大好き、いい子になるから」ついに妻まで夫の好きなポーズで誘惑して「私たちまだ若いから子供作れるわよ」えええ~~!おかあさん!!「子供たちは助けて!」じゃないんかい~!!

この妻は手術の時の秘密を聞き出すために同僚に性的行為をしたり、とんでもない女っす。

迷ったスティーブンは黒い頭巾をかぶってグルグル回って目くら打ち。えええ~!!息子に当たってしまいます。

全体にどんよりした空気が流れていて、不協和音みたいな耳障りな音楽が流れます。

いや~な感じを前面に押し出してます。そう、いや~な感じのマーティンよりも実は家族全員がいや~な奴だったよと。

いろいろな考察を楽しく読んでいますが、よくわからないなあ。

特に最後のカフェで家族3人で食事?していて、マーティンが入ってくるところ。あんなことの後に外食する? てか、マーティンに何も言わないの?キムはまだ好きなの?多分いろいろ表しているのだと思いますが、イマイチすっきりしない終わり方かなと思いました。