ジョーカー 2019年 10月公開
いやあ素晴らしかった。早く見ればよかったです。
「絶望感すごいよ」と言われていて、今ちょっと時期的に鬱が出てきてるので見るのやめた方がいいなと思ってました。チェルノブイリも同じ理由で見ていません。
確かにこの映画もいろいろきついですけど、見て本当に良かったです。
終わってからの余韻もすごくて、考察ブログなど読みふけりました。
監督がトッドフィリップス。何の作品監督したんだろうとみてみたらハングオーバーシリーズとかデューデートの監督でひっくり返りそうに。笑
どっちもすごく好きです。でも同じ人が撮ったのお??とびっくりです。
映像も脚本も良くて2時間あるのに中だるみなし。
ホアキンの演技がとにかく素晴らしかった。これは納得のオスカーですね。
最初にオファーが行ったのがマーチンスコセッシ監督でレオナルド・ディカプリオにもオファーが行ったそうです。
レオナルドジョーカー!それも見てみたかったです。
それではネタバレありの感想です。
映画としても完成度が高く、何よりホアキンの演技!なんか取りつかれているかのよう。最初にキャストを聞いた時には「ふ~ん」とそれほど魅力を感じませんでしたが、演技力絶賛だったのでそれだけでも見たいなと思っていました。
最初少し見て、落ち込みそうだったらやめようかなーと思っていたのに、すごく引き込まれていきました。
1980年代のニューヨーク(ゴッサムシティ―なんだけど)の雰囲気がすごく良かったです。行ったことはないのですが路地裏の匂いまで感じられそう。
アーサーがぼこぼこにやられるところ。
会社でも馬鹿にされるところ。
家に帰ればお母さんの世話。そして笑いの発作。
きつい。きついのに引き込まれていく感じ。妄想の部分も辛くて、彼女ができたんだと思ったところまで、まさかの妄想。ここは本当にびっくりしました。
そして考察を読んでいると「最後の精神病院以外は全部アーサーの妄想」というのがあって「そんな考え方もあるんだ!」と驚きました。
アメリカでは結構この説が押されていて、なぜなら……
1最後の精神病院に入れられた説明が一切なし。
2その時だけ髪の毛が黒かった。
3劇中出てくる時計が全部11時11分
4地下鉄で3人射殺するところで銃弾の数が一発多い。(これは夫も指摘)
5ウエインの両親が殺されるところ見ていなかったはずなのに見ていたかのような描写がある。
などなど。
そしてもう一つの仮説が「そもそもアーサーはジョーカーではない」
おおお?どういうこと?
年齢的にバットマンと合わない。この暴動などが本当であったら、本物のジョーカーはそこからヒントを得た、この中のだれか。
ほおおお。
いろいろ考えますよね。見終わった後に考察見るのが楽しいです。
アーサーの妄想がどれで、どれが本物なのか。想像するのも楽しいです。
監督は「最後の精神病院での笑いだけが本物の笑いだ」という意味深なことも言ってました。それはやっぱりそうなん?
確かに少し変だなと思うところはありました。
トークショーゲストの時にあれだけの大物マーレーが一般人のゲストのところに挨拶は来ないよね。とか銃を持ち込むなんて無理だよねとか。それでも、映画見ている時は(ゴッサムシティーは、そうなのかも)と思ったりもしました。
あまりにも現実っぽくてニューヨークぽくて、それはやっぱり意図されて作られたのかな。
DCと全く別物というか「孤独な男の狂気」というところではタクシードライバーのようでもあり、ヒーロー映画とかヴィラン映画では全くなくて、それも良かったです。
途中でもしやバットマンと兄弟??というサプライズもあったり、それがペニーの妄想だったり脚本も素晴らしい。もっとどんよりした感じの映画なのかと思ってました。
後半の貧民層の暴動の様子は、最近の現実の暴動を思い出しちょっと辛かったです。