We need to talk about Kevin
邦題 少年は残酷な弓を射る 2011年
監督リンラムジー 主人公 ティルダ・スゥイントン
前から見たいと思っていた作品をやっと見ました。
冒頭のトマト祭りの真っ赤な色がすばらしい。色が効果的に使われています。
ティルダ・スゥイントンが母親役!?と言うところでまずびっくり。父親役がジョンCライリーってのがまたびっくり。
邦題はかっこよくて気になりますが、ここまで言ってよかったのかなと思いました。
作品は過去と現在が目まぐるしく入れ替わります。私の苦手な作りなんですが、それでもティルダの髪型で把握しました。笑
演技が素晴らしいです。トマト祭りの心から楽しそうな表情、それから妊娠後期のママクラスでの辛そうな感じ。
望まなかった妊娠 全く懐かない子供。それどころか父親にだけ懐く子供。これは辛い。泣きわめきが止まらず、工事現場のシーンはきつかったです。
夜泣きとか赤ちゃんは泣き止まないときがあって、それはそれは疲れ切ります。
あやしているエヴァの表情 唇真一文字にひきしまって、 こわ!
それからケビン役の少年の小さいころのクソガキっぷり。憎たらしい表情!むかつく!すごくうまいですよね。
3世代のケビン役の俳優 皆良いですね。3人とも「いら!」とさせられます。
一見優しそうなイクメン風な旦那のくずっぷりも見事。
「男の子はこんなもんだよ」いやいやいや。男の子の母親ですが、こんなことないよ。
この子の異常さに気がつかず、妻の苦悩も軽く見てた旦那もあれですが、エヴァも正面からぶつからないんですよね。
一度だけおむつ事件で突き飛ばした拍子に骨折させてしまったけれど、例えば大声で怒ったり、尻たたくくらいは皆あるんじゃないのかなと。でもエヴァはがっつりぶつからないんです。
プイっと顔を背けて部屋を出ていくような描写が多くて「そこはもっと怒ろうよ」と思いました。
聖なる鹿殺しの次に見たのですが、どっちもかなりしんどい映画。元気な時に見るのをお勧めします。またどんよりしてしまった。
「母親に愛されたく、振り向いて欲しいために悪さをする少年」という見方が多いのですが、そうなのかなあ、私はどちらかと言うと、う~ん、なんていうか生まれながらに、どうしようもない(悪)な子供がいて、親にはどうしようもできないのかもという感想も持ちました。
加害者の親はいつも「育て方が……」と批判されますが、そういうの関係ないんじゃないかと。絶対的な悪の種をもった子供(人)はいるんじゃないのかとか。
最後のぎこちない抱擁とか整えている部屋とか。出所して一緒に暮らすつもりなのですね。あそこまでうまくいかなかったのに、私はやめた方がいいと思うなあ。映画なんだけど、そうなんだけど。
すごくもやっとしました。
エヴァの気持ちもケヴィンの気持ちもわからないぞ!
きつく、つらく、考えさせられる映画でした。
でも、そろそろ考えずにワーキャーいうホラー映画を見たいですw