2022年4月10日日曜日

映画 闇金ウシジマくん ファイナル ネタバレあり感想 マンガの映像化の難しさ

 

マンガの闇金ウシジマくんの大ファンです。




麻薬やギャンブル中毒のいわゆる底辺と言われている人たちと闇金業の物語、すごくえぐい、そして残酷で読めば必ず落ち込むと言われている鬱マンガ。それでも私は大好きです。

作者が実際にインタビューをしているため、ものすごくリアルです。歌舞伎町の匂いがしてきそうw

で、そのマンガのずっと見たかった映画版を見ました。一番最近のそして最後の作品(ファイナル)




ウシジマくんの中学時代の過去。そして同級生の竹本が出てくる好きなエピソード。マンガにはない悪徳弁護士を(20巻トレンディーくん)のまりこさんをエピソードに絡めてありました。ごめん、マンガ読んでいない人さっぱりわからないですよね。

マンガ(闇金ウシジマくん)にはいくつかエピソードがあり、竹本が出てくる回(18巻から20巻ヤミキンくん)は結構好きでした。ショックで落ち込みましたけど、物語がよくできていると思いました。

ホームレスを連れてきて働かせる(誠愛の家)の家の描写がマンガの方がきついかもしれません。逃げ出したら、なにをされるか、とか。これはひどい。どん引きです。

竹本はちょっと変わっているけどウシジマくんに出てくる登場人物の中では唯一と言ってもいいかもしれない善人です。誰に対しても優しく、親しみをこめてあだ名で呼び、ウシジマでさえ「薫ちゃん」と呼んでいました。クラスの集団暴行に唯一加わらなかった少年。うしじまのウサギを預かってくれた竹本。




それなのに~親友なのに地獄に送ったウシジマ~ひどくない?「ええ~鬼か!!」と怒って読みましたが、マンガでは最後に車の中で泣いているようなシーンがあるので、ほんの少し救われます。ほんの少しだけ。

映画はこれがなくてがっかりでした。


主演の山田孝之さんですが、ドラマにもなっているので日本の皆さんにはおなじみなのかもしれませんが、主役の山田孝之さん、ウシジマくんには物足りなく感じてしまいます。

ファンの方ごめんなさい。素敵な方ですが、ウシジマくんは素敵じゃだめw 

もっとくせがあって、こわもてで、さらにでっかいガタイの良い人が良いな。プロレスのヒールみたいな感じの。山田さんでは(中学生でフルスイングのバッドで不良を半殺しにした人)には見えません。

それから演出のせいだと思うのですが、感情を出さず、無表情すぎだったと思います、もっと眉間にしわ寄せて「うああ??」って感じでも良かったのになあと。

映画 ファブルの時も思ったのです。ファブルが岡田君ではハンサムすぎる。ただ、ファブルは普段は殺し屋を隠して(弱そう)に見える設定なので背が小さくてもいいのですが、ウシジマくんは見るからにやばそうな感じのほうがいいよねえ。

マンガが原作だと……うるさい、うるさい笑

評判がわるかった「進撃の巨人」実写版「テラフォーマーズ」実写版「ジョジョ」実写版

全部見ていません。マンガの実写化は難しいと思います。アニメの方が世界観をよく表せてよいと思いますが、裏社会ものはアニメか難しいのでしょうね。ファブルはアニメ化してほしいと思いますが。主人公が殺し屋とか闇金業者とか難しいのかもしれないですね。

「デスノート」はアニメ版見て面白かったのですが、映画版、見ていないのですが興味あります。ただNetflixが作ったアメリカ版の「デスノート」は最低だとの意見が多いです。私は少しだけ見てやめました。夫は最後まで見て怒ってましたw作り直してほしい~。それから「進撃の巨人」こそハリウッドマネーでドーンと大アクションで作ってほしいなあ。

マンガ「秘密」も大ファンなのですが、あの世界観を表現するの難しいと思いました。薪さん……誰がやっても難しそう。きっと文句言っちゃうなw 映画を見た方「いやいや、すごく良かったよ」という方いらっしゃったら、ぜひ、教えてください。あ、ちなみにマンガの岡部さんのファンです。こちらはぴったりの役者さんたくさんいそうw


マンガの「善悪の屑」ウシジマくんより凄惨な事件がいくつも出てきて、犯人にど復讐する大好きなマンガ。こちらもドン引きするほどの描写ですけど、あまりにもひどい犯人への復讐にすっきりしたりします。はい、こんなん大好きです。続編も買って読んでいます。

こちらも映画化だったのに、公開中止になったんですね。これは見て見たかったなと思います。あのシーンとか、あのシーンとかやったのか?気になるウ。

今日はどちらかと言うとマンガの感想になってしまいました。ウシジマくん、他のも見てみます。夫が気に入ってましたw






2022年4月8日金曜日

少年は残酷な弓を射る ネタバレ感想

We need to talk about Kevin 

邦題 少年は残酷な弓を射る 2011年

監督リンラムジー 主人公 ティルダ・スゥイントン




前から見たいと思っていた作品をやっと見ました。

冒頭のトマト祭りの真っ赤な色がすばらしい。色が効果的に使われています。

ティルダ・スゥイントンが母親役!?と言うところでまずびっくり。父親役がジョンCライリーってのがまたびっくり。

邦題はかっこよくて気になりますが、ここまで言ってよかったのかなと思いました。

作品は過去と現在が目まぐるしく入れ替わります。私の苦手な作りなんですが、それでもティルダの髪型で把握しました。笑

演技が素晴らしいです。トマト祭りの心から楽しそうな表情、それから妊娠後期のママクラスでの辛そうな感じ。

望まなかった妊娠 全く懐かない子供。それどころか父親にだけ懐く子供。これは辛い。泣きわめきが止まらず、工事現場のシーンはきつかったです。

夜泣きとか赤ちゃんは泣き止まないときがあって、それはそれは疲れ切ります。

あやしているエヴァの表情 唇真一文字にひきしまって、 こわ!

それからケビン役の少年の小さいころのクソガキっぷり。憎たらしい表情!むかつく!すごくうまいですよね。


3世代のケビン役の俳優 皆良いですね。3人とも「いら!」とさせられます。



一見優しそうなイクメン風な旦那のくずっぷりも見事。

「男の子はこんなもんだよ」いやいやいや。男の子の母親ですが、こんなことないよ。

この子の異常さに気がつかず、妻の苦悩も軽く見てた旦那もあれですが、エヴァも正面からぶつからないんですよね。

一度だけおむつ事件で突き飛ばした拍子に骨折させてしまったけれど、例えば大声で怒ったり、尻たたくくらいは皆あるんじゃないのかなと。でもエヴァはがっつりぶつからないんです。

プイっと顔を背けて部屋を出ていくような描写が多くて「そこはもっと怒ろうよ」と思いました。

聖なる鹿殺しの次に見たのですが、どっちもかなりしんどい映画。元気な時に見るのをお勧めします。またどんよりしてしまった。

「母親に愛されたく、振り向いて欲しいために悪さをする少年」という見方が多いのですが、そうなのかなあ、私はどちらかと言うと、う~ん、なんていうか生まれながらに、どうしようもない(悪)な子供がいて、親にはどうしようもできないのかもという感想も持ちました。

加害者の親はいつも「育て方が……」と批判されますが、そういうの関係ないんじゃないかと。絶対的な悪の種をもった子供(人)はいるんじゃないのかとか。

最後のぎこちない抱擁とか整えている部屋とか。出所して一緒に暮らすつもりなのですね。あそこまでうまくいかなかったのに、私はやめた方がいいと思うなあ。映画なんだけど、そうなんだけど。

すごくもやっとしました。

エヴァの気持ちもケヴィンの気持ちもわからないぞ!

きつく、つらく、考えさせられる映画でした。

でも、そろそろ考えずにワーキャーいうホラー映画を見たいですw



2022年4月6日水曜日

聖なる鹿殺し ネタバレ感想

The killing of a sacred deer 2017年 イギリス・アイルランド




邦題

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッドディア

監督 ヨルゴス・ランディモア

コリン・ファレル ニコール・キッドマン バリー・コーガン

前から見たいなと思っていたサイコサスペンススリラー映画です。あっているかな?ジャンル。大好きなジャンルです。

スラッシャーなホラーも大好きですが、一番好きなのがサイコサスペンスです。セブンのように捜査ありのシリアルキラーなサイコサスペンスがいいですね。

こわ!!って言うのが好きなんですが、この映画もかなりこわ!!

こわ!!っていうより、何とも言えないイヤーな感じの気持ち悪さ。居心地悪く、理不尽で不条理なかんじです。それから警察の捜査は一切出てきません。

紹介をYoutubeで見たのですが「胸糞」それから「しんどい」うん、わかる~胸糞ジャンル。


この監督の作品は初見です。

最初に心臓のドアップの鼓動に度肝抜かれました。手術を終えて出てくるコリンファレル。なるほど心臓外科医なのねと。でもこんな風に見せるの珍しいですよね。心臓のドアップ!

カメラワークが独特で、例えばエスカレーターに親子で乗るシーンをものすごく上の方から移したり、見たことのない映像が面白かったです。

演技もすごく良かったのですが、なにがすごいって、バリーコーガンの演技と言うか 


一度見たら忘れられない嫌な顔(褒めてます)素晴らしいですね。


有名なスパゲティーを食べるシーン まだかまだかと楽しみにしてました笑 いやあ待ったかいがあった。こんな汚い食事シーン初めて見たあ。すごい嫌悪感。うまい!



すごい俳優さんです。

最初は良い感じな男性が、少しづつ嫌な感じにしつこくなっていくのは映画の「Gift」を思い出しました。これも胸糞ジャンルでも好き。


それからニコールキッドマンが安定の冷たい自分勝手な嫌な女w こういう役やっぱりニコールがいいですよね。ちょっと前にボトックスで変になっちゃってましたけど、今は自然で美しいです。クラシカルな美人。

優柔不断なコリンファレルも良い感じでした。あんまり外科医っぽくはないけど。

今調べたらオハイオのシンシナティーのお話だった。お、おう。

ちょいあらすじは……

外科医のスティーブン 美人の嫁、かわいい子供2人 何不自由ない暮らし。ここに16歳のマーティンという少年が忍び寄ってきて……。


ではネタバレ。


スティーブンはマーティンの父親の心臓手術を飲酒して行い、結果亡くなってしまい、マーティンのケアをしています。時計あげたりしちゃってます。

ある日マーティンを自宅に招待をします。ここから悪夢の始まりです。すごく礼儀正しいマーティンに家族は心を許し、特に長女キムは恋心が芽生えちゃう。え?マジすか?って思いました。

ある日息子のボブが突然歩けなくなります。検査を繰り返しても原因がわかりません。そのあたりからマーティンがめちゃしつこくてストーカーみたいになっていきます。

マーティンはスティーブンを自宅に無理やり呼んで、一緒に映画を見たいと言い、眠くなったと部屋に戻るマーティン。母親と一緒に変な雰囲気で映画見ることに

「いやいや、普通ここで帰るよね」と居心地わる!変な空気 優柔不断な性格がよく出てますね。

そして案の定?母親が誘惑をはじめ、慌てて帰るスティーブン。

何度も何度も電話をかけてくるマーティンに嫌気がさすスティーブ。

無理やり病院にやってくるマーティンはスティーブンに

「最初は足がマヒする、それから食欲不振になる、目から血が出て、その後死亡する」と伝えます。

これ、どうやったのかさっぱりわからないんですよね、そういう能力があったのか?薬物と思ったのですが、病院の検査でわかりますよね。

最初信じなかったスティーブはボブが「食欲ない」と言うとドーナツ詰め込んだり、歩けるんだと引きづったり。そして、ついに長女も歩けなくなり、マーティンを地下室に誘拐監禁して拷問。

スティーブンは死なないけど、家族の誰か一人を殺さないとだめと言い、そこから家族の地獄が始まります。

すっごく嫌なのは皆が助かりたいとあれこれやりだす。いい人一人もいないw

最初の30分くらいちょっと退屈。映画全体すごくテンポが良いわけではないのですが、セリフがいちいち怖い。

息子も「髪の毛切るよ、良い医者になる」とか言いだし、娘も「お父さん大好き、いい子になるから」ついに妻まで夫の好きなポーズで誘惑して「私たちまだ若いから子供作れるわよ」えええ~~!おかあさん!!「子供たちは助けて!」じゃないんかい~!!

この妻は手術の時の秘密を聞き出すために同僚に性的行為をしたり、とんでもない女っす。

迷ったスティーブンは黒い頭巾をかぶってグルグル回って目くら打ち。えええ~!!息子に当たってしまいます。

全体にどんよりした空気が流れていて、不協和音みたいな耳障りな音楽が流れます。

いや~な感じを前面に押し出してます。そう、いや~な感じのマーティンよりも実は家族全員がいや~な奴だったよと。

いろいろな考察を楽しく読んでいますが、よくわからないなあ。

特に最後のカフェで家族3人で食事?していて、マーティンが入ってくるところ。あんなことの後に外食する? てか、マーティンに何も言わないの?キムはまだ好きなの?多分いろいろ表しているのだと思いますが、イマイチすっきりしない終わり方かなと思いました。